溺愛

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 「菜摘は俺が他の女を秘書において、そいつが朝から晩まで一緒でも構わないのか?俺がこのフロアから消えて、会社からいなくなってお前の目の届かないところで他の女に囲まれていても平気か?」  菜摘は目の前の俊樹が怒っているのを見て、驚いた。 自分は何かまずいことを言ったのかと焦った。    社内恋愛だろうと、社外恋愛だろうと、それは普通のことではないだろうか。  「もしそうなったとしても、お仕事ですからしょうがないことですよね?平気ではありませんけど、それは受け入れないと……」  怖い。すごい目で睨んでいる。    「そうか。俺はお前にとって、その程度なんだな。よくわかった。作戦を変えた方がよさそうだ」  「そんな。私は俊樹さんのこと好きです」  「俺の求める好きは一般的な好きとは違うようだ。ゆっくり教えてやる。とにかく、引き継ぎやっておけ。仕事を始めよう」  そう言うと、椅子に座りいつものようにパソコンを見始めた。
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