第一章 就職

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 「昨日話したばかり。こればっかりはコウノトリだからね。でも嬉しい。奏ちゃんの子供だもん」    にっこり笑う緑ちゃん。結婚して本当に綺麗になった。お兄ちゃんの溺愛も分かる気がする。  私は妙に納得してすっきりした。  「緑ちゃん。身体大切にして。そしてありがとう。私就職する」    緑ちゃんは私の背中を叩いた。    「それでこそ、我が自慢の妹。好きにしなさいな。味方してあげる」    嬉しい。泣きそうだよ、私。    「やだ、泣かないでよ、菜摘ちゃん」    緑ちゃんの声にお兄ちゃんが入ってきた。    「どうした?」    「奏ちゃん、交代」    そう言って、緑ちゃんが店に出て行く。  「おい、菜摘どうした?」    私は泣き顔をあげて、お兄ちゃんに言った。    「お兄ちゃん、おめでとう。赤ちゃんのこと、聞いたよ」    「あ?ああ、ありがとう。それで泣いてんのかよ、お前……」  
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