第一章 始まりの森で

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はー…。今日も頑張ったなー。 いや、まじで話を聞くのって想像以上に辛い。 なーんか前にも同じことが会ったような気がしたんだけど…。 記憶を失くす前より、もっとずっと前。 なんやかんや、寝床に入ると結構すぐウトウトしちゃうから、こうして風呂場で考えることにした。 そういえば、今日は魔力圧縮と防護結界についてやったっけな…。 防護結界…ちょっと練習しておこうかな。 魔力を布のようにイメージをして、それをゆっくり包帯を巻くように丁寧にやってみる…。 できない……。 こんな繊細なの無理だな…結界といえば、四角いよな…そのイメージでやって、少しずつ縮めていけば最終的にいい感じになるんじゃね。 そんな軽い発想でやってみた。 おお。すごい。僕の周りに水が入ってこない。成功している。 僕は心を踊らせながらお風呂から水が零れ落ちそうなことに気づかず、もしかして、風と水の属性だから操れちゃったりして… 体の中の本の中から正方形のプレートを並べて作った紙のようなものを取り出し、そこから正方形のプレートを一つ取り出し、指先へと流す。 僕は指先をくるくると回して言ってみた。 「旋風」 そうすると、思ってたのより結構大きいものができてしまって、風呂の水が溢れてしまった。 やばいやばいやばい …消えろと念じたらなんとか消えてくれた。 次は水を操ってみよう。 さっきは風だけであの量だから失敗した。なら、風と水を同時に操ったらちょうどいいんじゃないかと考え、手のひらですくった水を上になげ、その水の塊を風邪で巻き込んだ。水風…今度はいい感じのサイズ感で美しいものができた。 ただ、操作がちょっと難しいから、さっきみたいに暴走しかけることはなく、すぅっとすぐに消えてしまった。 残念だとは思いながらも、今日倒れたことが頭をよぎり、また二人に心配をかけるわけにはいかないと思い、やめてさっさとでることにした。 因みに、僕の後にすぐアルが入ったんだけど、僕の魔力が風呂場に残っていたらしく、勝手に魔法の練習をするなとお咎めを食らってしまった。 ロアは習ったばかりの時、上手に使えないのが悔しくて寝る間を惜しんで練習した経験があったらしく、こっちは私達が近くにいないときはやらないでねと軽い注意で終わった。
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