3人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は村へ行ってみることにした。
川を渡ってあたりを見渡すと一軒も光が灯っていないことに気がついた。
しかし、他に当てもないため六軒程しかない小さな村の家を巡っていった。
「誰かいませんか?」
返事の代わりに静寂が返ってきた。
殆どの家をまわり終わり、残っているのは人が住んでいるとは思えない小屋だけだった。。
試しに扉を叩いてみる。
「誰かいませんか?」
当然、返事は返ってこなかった。
空を見るともう暗かった。
真っ暗な世界を月だけが仄かに世界を照らしていた。
僕は持ち主に無断で入るのに少し抵抗があったが、かなり悩んだ末、結局家に入ることにした。
扉を開けるとギィと軋んだ。
僕は小屋の中を見渡す。
…ちょっと…いや、かなりボロい。
小さな部屋にベッドと棚、それから小さなテーブルと椅子があった。
ベッドの横には本棚もある。
「誰も住んでないのか?」
部屋は相当埃っぽかった。
おそらく何十年も使われていないのだろう。
「取り敢えず、掃除からだな。大仕事だ。」
とは言ったものの小さい小屋だったのですぐに掃除は終わった。
僕は日が暮れるまでの少しの間、窓を開けて換気することにした。
僕は少し暇になりベッドの横の本に目が行く。
「少し、読んでみようかな。」
復讐の幻惑、少女達の歴史、幻夢の言葉、廻る守護神。
…名無しの本読み妖怪
僕はこの話が気になり、読んで見ることにした。
最初のコメントを投稿しよう!