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「子供らはどうする?」
「どうするって何が?」
「どっちが親権を持つとかあるやん」
「あの子らもう大きいんやから、自分で決めさせたらええんちゃう?」
「養育費とかいる?」
「二人とももう働いてるから養育費はいらん、けど慰謝料は欲しい」
「慰謝料!なんぼぐらい?1000円でいい?」
「1000円って安すぎやろ。こっちはあんたのわがままに振り回されてるんや。もっとドーンとや」
「1億円とかないで。全然ない。一万円ぐらいかな」
「しみったれとんな、あんだけ世話したったのに」
「その代わり時々グーで殴るやんけ」
「あれは手がグーの形で顔に当たってるだけ」
「もう帰ってくるなよ、ちゃんとその若い子面倒見るんやで」
「えっ、何でや。もう十分やって思ったら、むこうがごちそうさまでしたって、言うてくるやん」
「だから、そう言われんようにやな、あんたが甲斐甲斐しくあれこれ気を回して、家の事とかお出かけの段取りとか、きちっと考えて行動するんや」
「そんな無理やって、保証期間過ぎてるやんか」
「誰の?」
「俺の。俺の保証期間は1年間やで」
「短っ。私のところに返品されても困るんやで。もう、戻ってくるな」
「戻ることはないやろ。ちゃんと飛ぶ鳥を落とす勢いで出ていくから」
「それ、立つ鳥跡を濁さず、って言いたいの?」
「どっちが合ってるか、白黒つけようやんか」
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