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魅惑の黒トリュフ
その居酒屋は黒を基調とした木目調のモダンなインテリアで、落ち着いてとてもお洒落だ。
昼間は日替わりランチを中心にパスタなどを提供し、夜は洋風なおつまみとお酒が飲める。
入り口のブラックボードにチョークで書かれた文字が目を引く。
『今日のおすすめ』と癖のある字。
この店の看板メニューのイタリア産の黒トリュフをつかった創作料理が人気。
トリュフはキャビア、フォアグラと並ぶ言わずと知れた三大珍味の一つ。
黒いダイヤとも呼ばれ魅惑の香りを放つ黒トリュフは媚薬のようだとも言われている。
ギリシャ神話では浮気ばかりする神ゼウスの怒りに触れ雷を落とされたブナの木の根元にトリュフが出来たとされる。その芳しい香りは独特な雄のフェロモンのようで、雄ブタの放つフェロモンによく似ているために雌ブタがそれをかぎ分け、見つけるとすぐに食べてしまうらしい。
今日も様々なそんな魅惑のトリュフのおすすめメニューが並ぶ。
オープンキッチンを囲む客席の壁も黒板になっていてそこにチョークでびっしりと隙間無くメニューが書き込んである。
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