黒い誘惑

アルバイト

　大学の授業や特別な予定がなければバイトのシフトを入れる。

　それとは別に。

　毎週月曜日は店の定休日になっているけど月に数回、仕込みのための出勤要請の連絡が店長から直接私のスマホに入る…

　『ミコト、今度の月曜日の仕込み作業、９時－18時のシフト予定は大丈夫かな？』　

　この月曜日の休日出勤の時だけは、普段の時給より割り増しでくれるから…。

　仕込み、と称する雑務。

　なんていうのは口実…

　他の従業員は月曜日の定休日はお休みで基本は店長だけが出勤している。だからそんな月曜日は私と店長の二人だけ…。

　静まり返った店内で店長と私の二人きり…。作業をしながら頃合いを見ていつもみたいに声がかかる。

「今日はメシ何にする？」

　いつの間にかそばに来ていた店長の腕が延び、横から私の腰に回りクッと引き寄せる。

「そろそろ行こうか…」

　戸締まりをしてお店の奥の裏口から続く駐車場に停めてある店長専用の軽自動車に二人で乗り込む。