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再び、疑われた!?
翌日、私はまた小学校に登校した。 もちろん、その頃は分団登校。
小学校に登校する前に、徒歩約十分かかる、岩井さんちの前に集合することになっていた。
全員が集まったら、私たちは小学校に登校した。
ひたすら田んぼに囲まれた道を通って約二十五分、ようやく小学校に着いた。
今日は晴れているけど、風が少し強かった。
それで、小学校の敷地内に植えられているサクラの木々は、花びらが半分くらい散ってしまっていた。
私は、昨日のように悲しくなった……。
けど、それは仕方の無いことだ。 風に吹かれたら、花びらが散ってしまうのは当然のこと。
しかも、実際に見たところ、特にサクラの花びらは、満開である期間がとても短いようだった。
満開になってから花びらが全て散るまで、一週間しかないっ!
だから、あと二日ぐらいしたら、きっと全ての花びらが散ってしまうだろうな……。
……さて。 今日から、新しいクラスで授業を受け始めていた。
私たちの小学校は、一年生と三年生と五年生にクラス分けがある。
私は、クラス分けの前に、仲の良い子とクラスが離れ離れになるのを心配していた。
しかし今回は、幼稚園からの友だちのはーちゃんと、一年生から気の合うノブちゃんと一緒のクラスになれたから、本当に良かった。
それで、休み時間に、私は二人に昨日のサクラ色のウサギの話をした。
「へえー。そんなウサギが、ここらの山に住んでいるんだ」
「それって、新種のウサギじゃんっ! ツーちゃん、いいな~。私も見たかったなぁ」
そういうふうに、はーちゃんもノブちゃんも私の話にいい反応してくれたし、ちゃんと信じてくれたから、私はものすごく嬉しかった。
そうなのだ。私たちの町の周りには、多くの山がある。
今は、山に住む野生の動物たちの食料が減っているらしいから、時々そうした動物たちが人里に来ているのを見かける。
私は今までに、ウサギとタヌキとイタチとキジを見たことがあったかな。
……ああ、私の友人たちはとってもいい人なのに、私の家の近くに住んでいるヒデちゃんは、お父さんと同じように、私の話を信じてくれなかったな。
ヒデちゃんの本名は、屋代寿臣。少し黒い肌に、テンパが目立つ男の子。あと、私と同じ学年で、製材会社の息子である。
その日の下校で、私は途中までヒデちゃんと一緒に帰った。
それで、私はヒデちゃんに昨日のサクラ色のウサギのことを話した。
「何だって? あのなぁ、ウサギっていうのは、白か茶色か黒か、ねずみ色だぞ?」
ヒデちゃんが私の話を信じていないのが、一発で分かった。
「おいおい。それ、お前の見間違いだよ。てか、実際に居る訳がないはず。だって俺、動物図鑑で見たことが無いから」
勉強好きで、自分の目で見たことしか信じないヒデちゃんには、私の話を信じないのは当然のことだった。
けど、これは本当のことなんだからっ!
「でも、私は実際に、この目で見たんだよっ!」
私がそう言った後、ヒデちゃんはこちらをいかにも挑戦的な目で見た。
「ならっ。俺にも見せてくれよ、そのウサギ。お前の言ったことが本当なら、できるだろ?」
ヒデちゃんの言葉と表情に、私はカチンッときた。それで、思わずにこう言ってしまった。
「いいよ。今度、見せてあげる」
本当は、私は心の奥でまたあのサクラ色のウサギに会えないと思っていた。だって、昨日の出来事は偶然だと思っていたから……。
ただ、信じてもらえないのが悔しくて悔しくて、どうしようもなかった。
と、その時。
「今度じゃダメだ。今からにしようぜっ!」
ヒデちゃんの思いがけない言葉を聞いて、私は動揺した。
頭の中が真っ白になった。
「よし、ツルッ! んじゃ、行くぞっ!」
ヒデちゃんがそう言った瞬間、彼は小走りで駆け出した。
私もヒデちゃんのあとを追った。
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