第11話 復讐のためのイチャラブ?それとも

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 ローレンス先輩は笑いながら霧の中に消えてしまった。スタート地点の方角だったので、すでに素材が終わった後だったのだろう。  忠告は嬉しいけど、気付いていたのならもう少し早めに教えて欲しかった! 「まったく。もう少しでシンシアは私のだって周囲に知らしめることができたのに……」 「え?」 「なーんでもないわ。シンシア、……続きは後で、ね」 「……っ、は、はい」  余裕の笑みを浮かべるかと思ったら、ヴィンセント先輩は顔を真っ赤にしているので、私までなんだか頬が熱くなる。  ヴィンセント先輩の顔が赤くなる姿も素敵だわ。可愛い。好き。こんな風に胸が苦しくなって、心臓の鼓動が早くなるのが、私だけじゃないのが嬉しい。  ***  私とヴィンセント先輩は同着四位でゴールインした。試験のスタッフから向けられる視線は羨望あるいは憧れなどの眼差しで、なんだかくすぐったい。  外見が変わるだけで周囲の視線はこんなにも変わるのかと、ちょっぴり複雑でもあったけれど。でもヴィンセント先輩と不釣り合いだろと思われるよりもずっといい。  そんな恩人が、自分に好意を持ってくれていることが未だに信じられない。浮かれてしまうのはしょうがないと思う。 「さて、第二次は昼食後だから、先に食事を済ませてしまおうか」 「はい!」  人が居る場所に戻ると、ヴィンセント先輩の口調が切り替わった。それによって纏っている雰囲気や表情が、少し固くなったのに気付く。 「第五区域には入り口傍に公共施設と、カフェが併設しているんだ」 「そうなのですね。第二次会場は第八区域にある円形闘技場でしたっけ?」 「ああ。円形闘技場は植物の蔓が巻き付いていて、緑豊かな場所だ。建造物に苔も生えていて、植物の成長速度が以上に早いから、多少暴れても問題ない」 「暴れ……」 「いよいよだ」 「あ」  復讐も大詰めだ。  第二次試験でレックスたちとぶつかる時が刻々と近づいていると思うと、緊張してしまう。ヴィンセント先輩が色々と根回しをしてくれて、準備も整っている。  レックスと対峙する。
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