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「大丈夫ー?怪我、とかしてないー?」
その姿は格好良くまるであの時のヒーローの様な形(ケイ)な光景だ。
手足長く冴えないオレには夢のような憧れのような体で落ち着いた声でオレは見惚れるようになってしまった。
「消えた?」
「正解ー。ほら君は"何も無いみたい"だね〜。よし手足動くから自分でココ真っ直ぐに走って避難所があるから、そこに行って一旦避難してくれるといいよ。大丈夫?立てる?」
「...あっ、はい」
怖気付いたんだ。ちっとも変わらない。10年前も今も。母さんの言う通りだ。オレなんか、オレなんかが"ヒーロー"なんかに...1人前の逃走者にもなれない。
助けてくれた人は肩を貸してやっと立てたようによろけながらもオレは自分1人で立てないが、次のこそはお礼の感謝を伝えたい。
「っ!」
「おっと魔物だ。ちょっと君抱き抱えるから我慢してね〜」
身体は浮き上がり自分も女の子とはすらまともに触れてないのに、歳上であろう命の恩人様にお姫様抱っこされてさっき言っていた道に走って行く。
いくら年の差があるとはいえ筋肉ムキムキのような見た目の体ではないし寧ろ細身のように見える体なのに、標準体重のオレを軽々しく持ち運び込んでくれた。隠れ筋肉質なのだろうか。
それかこの人も能力者なのだろう。さっきのオレの命拾いも能力か何かで拾われたんだ。拾ってくれた。
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