1章 記者会見

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「ん…あ、いや。あそこって、会社の一番奥にあるし、狭くて暗い部屋だし…。沙絵ちゃん、怖がるかなって。ついでに…俺とちょっと惚れたはれたみたいにもなってよ…」 「ふ〜ん…だけど、もう終わったことでしょ?会長が生きている時だって、3人楽しそうな時あったじゃない☆あの頃を思いだして♪…ね!」 過去を振り返り悩む龍彦を見るも、栄策は全く気にしていないようだ。 栄策は、智則の介護が必要になってからの時しか知らないので、過去の不倫などのことなど、さっぱりと流していたのかもしれない。 龍彦は、栄策に肩を抱かれながら、ニッコリとした顔で言われると龍彦でも「NO」とは言えなかった。 「…わかった!わかったから…肩から腕を取ってくれ」 「はぁ~い☆」 龍彦の肩から腕を下すと、両腕を後ろで組んでユラユラ体を揺らし始めた。 「どうにかして、深夜のジャッカルに沙絵ちゃんを呼びだそう…。それしか会長に会わせる方法はねーからな…」 「パパラッチに気を付けないとね。ほとぼりがまだ冷めてないはずだから、ジャッカルに行く時も誰がいるか分からないものね」 「なんとかやってみる」 こうして、龍彦は沙絵を深夜のジャッカルに呼び出すことにした。
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