3章 追悼の会

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3章 追悼の会

数日後、沙絵をジャッカルに呼び、『会長(智則)の追悼の会』をするため、沙絵を迎えにいった。 沙絵を迎えにいったのは栄策だった。 にこやかな笑顔で、沙絵が住んでいるマンションの玄関まできた。 「沙絵ちゃ〜ん!お待たせ♪」 「こちらこそ、わざわざありがとうございます」 沙絵の身に着けている服やヘアアレンジに、栄策は感動の声をあげた。 「すっごいかわいぃ~☆髪飾りもキレイねぇ~♪」 白地に花柄のワンピースでクラウンヘアーの沙絵を見て、「バッチリね」と言いながら、沙絵を車に乗せる。 「このワンピース、会長が生きてた時にお出かけするときよく着てたわね」 「よく覚えてますね♪」 智則との思い出を、突然言われドキッとするも、沙絵は嬉しくてたまらなくなった。 「当たり前じゃな~い☆今日はせっかく会長…ご主人に“会える”んだから、きっとご主人も喜んでいると思うわ~」 久しぶりに、“智則に会える”と思うと、自然と頬もほころび、ほっぺたを赤くした。 バックミラー越しに照れる沙絵を見て、栄策はクスっと笑った。 「沙絵ちゃん、緊張してないかしら?」 「え?…あ…ちょっと…」 「大丈夫よ♪みんながいるんだし。リラックスリラックス☆」 ジャッカルまでは車で20分ほどだが、その間、智則との思い出話などをしていた。 智則が生きていて、智則が出社するときは、いつも、役員の誰かが社用車で送迎をしていたことも、懐かしい思い出だ。
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