3章 追悼の会

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栄策は窓際部署に連れていくなら今がチャンスかと思い、龍彦にアイコンタクトを取った。 「そうだよな。会長が亡くなって6年経ったといえ、自分のご主人は何者にも変えられない存在だもんな」 龍彦は沙絵の気持ちに全力で共感してあげた。 「そうだよ…智則さんに会えるなら…1回だけでいいから会いたい…な」 力ない笑顔で空を見つめる沙絵。 その様子を切なそうに見る“影”が沙絵の隣にいた。 栄策は智則がずっと沙絵の隣にいることに気づいていた。 時計を見ると、時刻は21時。 少し時間は早いかもしれないが、タイミングを考えると今かと思い、栄策は再び沙絵に声をかけた。
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