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最終章 ずっと一緒に…
それから、栄策がしばらく智則の運転免許証を持ち歩き、沙絵に返す時がきた。
ジャッカルの近くのカフェで待ち合わせ、ウインナーコーヒーとカフェオレを注文した。
「久しぶりね♪」
いつも通りの、穏やかで優しい栄策がいた。
「追悼の会から半月ぶり?かな~。運転免許証…どうなったの?」
注文を終えるなり、すぐに沙絵は智則の運転免許証のことを聞いてきた。
栄策は手でバッチリと見せると、テーブルに智則の免許証を出した。
手に持った瞬間、沙絵はクラクラしだした。
それと同時に雷に打たれたような痛みを感じた。
「大丈夫?体調悪くなっちゃった?」
心配そうに沙絵を見てくる栄策に、沙絵はニコッとして「大丈夫」と答えた。
そこへ、ウインナーコーヒーとカフェオレが運ばれてきた。
温かく甘いコーヒーを飲みながら、栄策は智則の運転免許証を大切にするように伝えた。
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