1章 記者会見

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「俵久さんを採用したことにつきましては…本当に職がなく、生活も困っていたというので、私ひとりの判断で人事を通さずに入れたのは事実です。公私混同と言われても仕方のないことだと思います。また亡くなった夫の会社には何も関与はしておりません…。モスアズとジャッカルは生前から別々に経営しております」 続けて、弁護士が記者たちに回答をした。 「慰謝料につきましては、警察等による調査が完了していないため、ここでのコメントは差し控えさせていただきます」 弁護士の回答が終わるとすぐに、何人もの記者が手をあげた。 司会者がひとりの記者を指し、回答権を与えた。 「当日の話し合いの場にジャッカルの社員が仲裁に入ったという噂もありますが、それは事実でしょうか?」 答えにくい、かつ関係性がバレてしまうとさらに炎上してしまうと思い答えに悩んでいると、弁護士がすばやく沙絵の代わりに回答をしてくれた。
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