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男はレモンティーを注文すると、ハッとしてチェルシーを見た。
「レモンティーなんて子供っぽいかな?」
上目遣いの男の顔は、より一層幼く可愛らしく見えたが、チェルシーは黙って首を振った。
「お嬢さんはここの常連なんだねぇ。俺と歳もそう変わらないだろうに、凄い大人だね」
いいなぁと両手を組みもじもじしながら、レモンティーを待っていた。レモンティーを持ってきた主人は男に声をかけた。
「お客さん初めてだね?ずいぶん若く見えるけど冒険者かい?」
男は主人にありがとうございますと伝え、レモンティーを受け取った。
「はい。ここには初めてきました。冒険者ではありませんが、また来てもよろしいですか?」
「あ?ああ、もちろんだよ。ぜひ来てくれよ。冒険者じゃないのか、残念だったなぁチェルシーちゃん」
主人はそういうとまた忙しそうに奥に入っていった。
「チェルシーちゃんは冒険者を探していたのかい?」
チェルシーは、男にいきなり名前を呼ばれてドキッとしてしまった。
それを察したのか、また男はハッとしてチェルシーを見た。
「ああごめんね。主人さんが名前を呼んでいたから。俺はアルベ……アルバって呼んでくれるかい?」
「はい、アルバさん」
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