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チェルシー=コンスタンツ
「はぁ… また赤字だよ… どうしよう」
チェルシーは家計簿をつけながら、ため息をついていた。先週、雨漏りをしていた屋根を修理したせいで大赤字になっていた。
「なんでレオナ(回復呪文)って物には効かないんだろう、効いたら凄く金持ちになれるのになぁ」
勇者様が魔王を倒して平和が訪れると、世の中では言われていた。しかし、いざ魔王を倒してもモンスターは減ることもなく、なんにも変わりはしなかった。
そして、傷ついた勇者様一行の恩給の為、街の人達には多大な税金がかけられることになった。
特にチェルシーは祖母から譲り受けた持ち家だった為、それに加えて相続税に苦しむことになっていたのだった。
チェルシーの家は、1階で雑貨屋を営んでおり、それで生活費を稼いでいたのだが、今月はピンチでピンチの為、出稼ぎに行こうかどうしようか迷っていた。
カランカラン
玄関の鈴がなったので、チェルシーは1階に降りていくと、そこにはTシャツとショートパンツ姿の若い男が商品を物色していた。チェルシーが、いらっしゃいませと声をかけると、その男は苦い顔でチェルシーの顔を見た。
「あの、ちょっと腕をモンスターに噛まれてしまって… 何か緊急で治療できるものとかないですか?」
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