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あのクポックさんって人、なんだったんだろう。くまさんみたいな体で、キラキラお目々。低くて野太い声だけど口調は優しくて、なんだか面白い人だったなぁ。
チェルシーは頬杖をついて、そんなことを考えながらお金を金庫にしまっていた。
「きゃあああ!」
チェルシーはお風呂場に走っていくと、お湯が出しっぱなしだった。
「もーさいあくー!お水もったいないし、月桂樹の効果も薄まっちゃうじゃん!クポックさんのばかぁー」
一連のことを魔術師のくまのせいにして、チェルシーはもう一枚月桂樹の葉っぱを持ってきて水面に浮かべていた。
一方、酒場では。
「面白い話があるんだが、100Gで聞かないか?」
酒場の主人が、夕方にあったことを客に話そうとしている。
「お父さん…内緒にしときなさいってチェルシーさんに言われてたでしょ」
ターニアは、キッチンで野菜を切りながら酒場の主人を睨みつけていた。そんな視線も気にせず、主人は小金を稼いでいた。
「な、怖いだろ?夫にそんなことできるなんて、やっぱり女は怖いよな。クワバラクワバラ」
「もう!お父さんたら……」
ターニアは呆れ果てため息をついていた。
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