ヒーラーだった娘がその治癒力を使って雑貨店を開いてお金を稼ぐために奮闘する物語

冒険へ？

　翌朝、チェルシーはクポックが買っていったアイテムの補充をしていた。
　たくさん買ってくれてので、有り難かったのだが予定にないことだった為、棚に空きが出てしまっていた。
　体力を回復する薬は難なく作成できるので大丈夫なのだが、手間のかかる魔力回復のものをクポックはごっそり持っていった為、もうほとんどなかった。
　仕方がなく、今日は仕入れのために出かけることにした。

　魔力回復のアイテムを作るためには、ツユクサと呼ばれる植物を使用する必要がある。
　ツユクサは畑の隅っこなんかに生えているため、いつも野菜を買っている農家のところから譲ってもらっていた。

　「おはようございます。大根ください。あとツユクサってありますか？」

　「おはようチェルシーちゃん。大根だね、どうぞ。ツユクサはこんだけしか無いけど大丈夫かい？最近あんまり生えないんだよね」

　農家の人は一握りのツユクサをチェルシーに渡した。農家の人は、王国を出て真っ直ぐ行ったところの湖にはいっぱい生えているんだけどねぇと続けた。

　「でも、湖はモンスターがいっぱい出るんだよね。勇者様は魔王を倒して下さったらしいけど、モンスターは減ることもなくむしろ増えてるって噂だよ」

　農家の人は眉毛をハの字にしながら話していた。