11人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
チェルシーはマントの男に一部始終を説明して、座ってたら時期に来ると思うからどうぞと椅子を差し出した。
マントの男はありがとうございますといったが、差し出された椅子には座らずチェルシーの横の席に座り、マスクを外した。
「あ……どうも……」
いきなり隣に座ってきたので、チェルシーはちょっと警戒していたが、マスクを外した男の顔は酒場にはとても似つかないような、爽やかな少年だった。
切れ長の目の奥の瞳はキラキラしており、鼻筋もスッと通っていた。男はチェルシーに顔を近づけて言った。
「お嬢さんみたいな若い女の子もこんな所にくるんですね」
「は、はい。ふ、ふふふ」
チェルシーは目の前の男も「酒場には似つかないような幼い」と同じ印象を自分に持ったんだと思ったら、なんだかおかしくなり笑ってしまっていた。
「え、俺なにかおかしい事言ったかい?」
「いえ、そんな」
なんとなくお互い微笑み合っていると、酒場の主人が戻ってきた。
「チェルシーちゃん、ごめん!ターニアが許してくれなかったよ」
主人が、チェルシーにごめんねと手を合わせていると、隣に男が座っていることに気づいた。
主人はおっ!彼氏かい?チェルシーちゃんも隅に置けないねぇと言って、ピーピーと指笛を鳴らしていた。
「主人さん、そんなことよりお客様ですよ」
最初のコメントを投稿しよう!