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「チェルシーちゃんみたいな女の子が、どうして冒険者を探していたの?」
チェルシーは、ツユクサが必要だけど湖に行けず困っていることを話した。
そうなのか…とアルバは顎に手を当ててしばらく考えると、パッと横を向いてチェルシーに顔を近づけた。
「俺が連れていってあげるよ」
アルバはそう言うと立ち上がり、レモンティーのお代をテーブルに置いた。
「主人さん、ごちそうさまでした。チェルシーちゃん行こう!」
アルバはフードを深く被ってマスクをしたあと、チェルシーの手を取り、街の出入り口へと向かった。チェルシーはいきなりのことで多少困惑しながら、アルバの後ろ姿を見ていた。
「あの…… 手………」
「え?ああ!ごめんね。つい」
アルバは手を離して、もうすぐ出口だよと前を指差した。チェルシーは、いえと言って繋がれていた左手を胸に持っていっていた。
「あの、出入り口なんですけど、冒険者じゃないと出られないみたいなんです」
チェルシーが道すがら話すとアルバは大丈夫だよと笑っていた。
「チェルシーちゃん、お互い敬語やめようぜ。俺達に同じ年くらいだろ」
「え?あ、はい。そうですね、じゃなかった!そうね」
アルバはぎこちないチェルシーを微笑みながら見ていた。
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