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街を出ると、そこは野原が広がっていた。余所から馬車が通るため、整備された道はあるのだが、街の中にあるようなキレイな遊歩道ではなかった。
モンスターが出るからねとアルバは言っていたけど、見渡す限り何もいなそうだけど…。
道を進んでも、ホーホーと小動物の鳴き声のようなものは聞こえるが、モンスターらしきものは見当たらなかった。
「モンスターがいるって言ってたけど、いないみたいね」
「ここは行商人が通る道だから、ごく微量の結界が張られているんだよ。だからモンスターが入ってくることも多々あるんだ」
アルバは、真っ直ぐ先を指差してあそこを曲がるんだよと示していた。アルバが指した所を曲がると、これまでとは異なる道がさらに続いていた。
「もうすぐ湖につくからね」
アルバに言われて、チェルシーは自分の用事を思い出した。
そうだ私、ツユクサを集めに来たんだった。
周りを見ると、草木が鬱蒼と生えていてその中にツユクサもたくさん生えていた。
「アルバ、あの…ツユクサはここにいっぱい生えてるから、湖までいかなくても大丈夫かも…」
「え?あっ、その青いのがツユクサなの?」
チェルシーは頷いてツユクサを摘んでかごの中に入れ始めていた。
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