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街の中に入ると、そこには変わらない風景があった。いつも通り衛兵が立っていて周りを見ているし、街の人達は会話をしながら整備された遊歩道を歩いていた。
ああ、良かった。街まで無事に帰ってこれた。
チェルシーはホッと息を1つつくと、自分がお腹が空いていることに気づいた。空はもう西日がさしていた。
「大丈夫……みたいだね。さっきより顔色もいいみたいだな」
アルバは振り返って、チェルシーのほっぺを触った。チェルシーは照れてしまって、アルバの手を握ってほっぺから離した。
「アルバ、ほんとにありがとう。色々あったけど、凄く助かりました。あの……お腹……すかない?もし良かったらお昼…にしては遅いけど、ご飯一緒に食べない?今日のお礼もしたいし」
アルバはニコッと笑ってお礼を言った。
「ありがとう。でも、せっかくだけどもう戻らないといけない時間なんだ。また、あの酒場に顔出すからよろしくね」
家まで送るよとアルバが続けたが、チェルシーは首を振った。
「私は大丈夫なので、アルバは戻って」
「1人で帰れるかい?大丈夫かい?そっか。また会おうね」
アルバは手を振って、お城の方に入って行った。チェルシーもまた手を振って、アルバの後ろ姿を見ていた。
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