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「ああ、おかえり。大丈夫かい?こっち空いてるよ、どうぞ」
主人はチェルシーに気づくと、自らの近くの席に手招きをした。
「あ、すいません。お腹空いちゃって」
「おっけー。ランチの時間は過ぎたけど、チェルシーちゃんはお得意様だから作ってあげるよ。で、ツユクサは手に入ったのかい?」
主人は、裏にいるであろう自分の娘にランチの注文が入ったことを伝えていた。
「ありがとうございます。すいません。ツユクサは手に入ったんですけど……」
チェルシーはアルバと湖に向かったこと、凶暴な狼がいたこと、危機一髪だったことなど話した。
外には凶暴なモンスタ〜 中は無能な王への納税〜 我々は〜 行くも地獄〜 帰るも地獄〜 ヘルアクレス! ヘルアクレス! 減る幸福! 減る安寧! ヘルヘルヘルヘル ヘルアクレス!
チェルシーたちの話を聞いていたのか?というタイミングで吟遊詩人は力強く歌っていた。主人はしかめっ面をして、吟遊詩人に近づいていった。
「なぁ、その歌はまだ早いって言っただろ?ここには衛兵や、王国の関係者もくるんだから、このまま続けるとでてってもらうよ」
吟遊詩人は主人の忠告を受けて、ブーたれた顔をしてはちみつジュースをチューっと吸っていた。
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