17人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふむ。そうか、危険な目にあったんだね。でも無事でよかった」
「はい。ありがとうございます。でも、私って本当に何もできないなって改めて思いました。アルバの後ろに隠れて何もできずに震えていたんです」
こんなことじゃ街の外を歩くことすらできないですと、チェルシーは頬杖をつきながら空を見ていた。
「うーん。そうだなぁ…」
主人は少し腕組みをして考え込んだあと、何かを思い出したように目と口を丸にした顔をした。
「まーたそんなバカみたいな顔して恥ずかしいわお父さん。ごめんねチェルシーちゃん。おまたせ!今日のランチはパスタセットよ〜」
ターニアが奥からランチを運んできた。主人の顔を見るなり、呆れ顔でため息を付き、また忙しそうに奥に戻っていった。
わぁ美味しそう!頂きますと、手を合わせたが速いかチェルシーは、チュルチュルとパスタをすすり始めていた。
そんな幼子のようにパスタを食べ始めたチェルシーを主人は微笑みながら見ていた。
「あのねチェルシーちゃん。今思い出したんだけど、教会のシスター達は定期的にあの湖に通ってるみたいなんだ。あの湖はマーラル湖と言う名前がついてるみたいで、女神マーラルの祠があるみたいなんだ」
最初のコメントを投稿しよう!