チェルシー=コンスタンツ

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 「あの人、呪われていました」  ええ!と酒場の主人は目を丸くしていた。主人は、どういうことなんだい?そのなんとかってのがないとどうなるんだい?やばいのかい?とパニックになっていた。  「あの、ローリエならあるんですけど、これでも大丈夫ですか?」  酒場の奥で一部始終を聞いており、仕込みをしていたらしい主人の娘が、乾いた月桂樹をかごに入れて持ってきた。  「ターニアさん、助かります」  粉のついたエプロンをつけた若い娘にチェルシーはお礼を言ってローリエを受け取り、それを小さくして塩に入れて混ぜ始めた。そして、それを酒場の入口と水回りに置くように、主人に指示した。  「主人さんとターニアさん、他のお客さんもこの清めの塩を手にすり込んで、流水で洗ってください。もし、違和感などあったら教会に行くことをおすすめします」  酒場は一時ざわついたが、ターニアとチェルシーの素早い行動でなんとか落ち着いていた。  酒場の主人はいったん落ち着こうと、その場にいる人たちにコーヒーを入れ始めていた。   「チェルシーちゃん、あの人呪われていたって…どんな呪いだったの?差し支えなければ教えてもらえる??」  ターニアは酒場に風を入れるため、ドアを開けながら聞いた。
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