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チェルシーは、淹れてもらったコーヒーにローリエを浮かばせながら、ブレスレットですとつぶやいた。
「あのブレスレットには、強力な死の呪いが込められていました。あんなに凶悪なものは初めて見ました」
「え…でも、あの男、妻に貰ったとか言ってなかったか?そんなまさか、まさか!?」
チェルシーは首を縦に振った。
「そうですね。なんらかの理由であの方にいなくなって貰いたかった様ですね。幸せそうにブレスレットを撫でる顔を見たら、私は言えませんでした」
チェルシーは恐ろしいっと、肩を震わした。
まぁ、ホント!?と驚くターニア、ガタガタ震えだす主人。このことはあまり周りに言わないほうがいいと思いますと、チェルシーは人差し指を口に当てて言った。
「予定より早いのですが、ちょっと落ち着かないのでコーヒーを頂いたら帰りますね」
「ええ!?チェルシーちゃんそんなこと言わずにもうちょっといてくれよお」
主人が泣きそうな顔でチェルシーを引き止めるのを、ターニアがチェルシーちゃんだって忙しいんだからっととがめた。
「あ、あの月桂樹とお塩で清めたのでここは大丈夫です。強力な浄化方法を施したので、しばらく安心ですよ」
チェルシーは酒場の主人をなだめた。
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