黒アゲハ

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 俺、有間 敦。二十五歳、独身。  勤務先は、小売業の正社員。  聞こえは良いが、ブラック企業の正社員である。  勤務先の連中は、殆どが学生のアルバイトと主婦。  彼らが、お休みの日は出勤する流れだ。しかも、二十四時間営業の店なので朝昼晩関係無しに勤務をする。 ーーある時。  自分のシフト勤務が完了後、帰宅しようとした時のことだ。誰かが急遽休むと自然の流れで、勤務延長となる。  体力の限界を超えて、店長に休日希望を出すと。 「うち、最低人数でシフト回しているから。無理なんだよねー!ごめんね。そんな事より、来月の商品の棚替えだけどーー」  と、はぐらされて会話が終了。  そして、繁忙期なんで地獄のフルコースだ。  この夏は特に。  学生は、部活、補習などの学業で休むパターン。  主婦は、実家の帰省、お子さんの世話で忙しくなり休むパターン。    それは、ーー致しかない事。  その代わり、普段の日常では皆その分頑張って品出しの補充、レジなどの雑務をしてくれている。  そのおかげで、発注、商品の入れ替えなどを集中できる。  社員であるこちらからしてみたら、有難い存在。  店長がクソ過ぎるから。尚更、なおさら有難いのだッ!!  なので、このお盆の時期だけじゃなくて。七、八月は休めない。    まぁ、毎年。殆ど泊まり込みになると思うがーー
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