社長の一日

2/6

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
 変な夢を見るわ、警察に捕まらないか心配だわで、少々ストレスを感じているけど、気を取り直して出勤だ。  車のドアを開いて中に入り、運転席に腰かける。  ドアを閉め、エンジンをかけようとしたその時―― 「――!!」  ルームミラーに人の顔が映っていた。  その顔は俺のものではない。  若い女性のものに見えた。顔色は青白く、死人のような印象を受けた。  俺は不健康な生活を送っていて、確かに顔色はたいして良くないが、ここまで青白くはない。  一体誰だ!? 不審者が入ってきたのか?  そう思いながら振り向いて、後部座席の方を見ると、誰もいない。  昨日あんなことがあったせいだ。忙しくて疲れているせいだ。  俺はそう考えて、車のエンジンをかけ、マンションの駐車場を後にした。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加