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1章
「あれ?美香ちゃんじゃない?久しぶり!」
美香は不意に声を掛けられ
その声の主を見る
『…?誰?この人?…』
見た目は30代後半から40代前半ぐらい
美香は全く見知らぬ中年男性
「えー、この人、彼氏?」
その男性が美香に聞いてきた
「あっ…いえ、違います。しつこくされて
困ってるんです」
中年男性に聞かれたことにより
安心感が出たのか余裕が出来たのか
声が普通に出た
「そうなんだ…お兄さんさ、美香ちゃん
こんなに嫌がってるし、その乱暴に掴んでる
手、放してあげてくれないかな?」
中年男性の表情はにこやかだ
体形も少し身長は高いが強そうには見えない
それなのに威圧感がある
医大生は、ほんの少し怯むが
「オッサンには関係ないだろ?」
と、虚勢を張る
「いやいや、ほら名前、知ってるし
知り合いだから関係あるんだよ」
中年男性は表情は変わっていないが
声はワントーン落ちた
それによって威圧感が増す
医大生は舌打ちして手を離した
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