1章

1/12
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ

1章

「あれ?美香ちゃんじゃない?久しぶり!」 美香は不意に声を掛けられ その声の主を見る 『…?誰?この人?…』 見た目は30代後半から40代前半ぐらい 美香は全く見知らぬ中年男性 「えー、この人、彼氏?」 その男性が美香に聞いてきた 「あっ…いえ、違います。しつこくされて 困ってるんです」 中年男性に聞かれたことにより 安心感が出たのか余裕が出来たのか 声が普通に出た 「そうなんだ…お兄さんさ、美香ちゃん こんなに嫌がってるし、その乱暴に掴んでる 手、放してあげてくれないかな?」 中年男性の表情はにこやかだ 体形も少し身長は高いが強そうには見えない それなのに威圧感がある 医大生は、ほんの少し怯むが 「オッサンには関係ないだろ?」 と、虚勢を張る 「いやいや、ほら名前、知ってるし 知り合いだから関係あるんだよ」 中年男性は表情は変わっていないが 声はワントーン落ちた それによって威圧感が増す 医大生は舌打ちして手を離した
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!