1章

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立ち去る医大生を並んで見送る 美香と中年男性 医大生の姿が見えなくなったのを確かめると 「…もう、大丈夫そうだね、じゃあ私は この辺で…気を付けてお帰りなさいね」 そう言って立ち去ろうとする中年男性 「あっ、ちょっと待ってください! ありがとうございました。それと… 貴方は誰なんですか?何故、私の名前を?」 お礼を言い頭の中の疑問を聞いてみる美香 「いえいえ… んーただの通りすがりのおっさんですよ。 名前は…彼が何度も呼んでましたからね あまり良い雰囲気では無かったので 余計なお節介かとも思ったんですが 声を掛けさせてもらいました。 では、これで・・・」 背を向ける男性に美香は 「あっあの…改めてお礼がしたいので お名前、教えていただけますか?」 ほんの一瞬、胸の高鳴りを感じた 恋愛対象に考えた事も無い年齢の彼に 「あーいや気にしなくていいよ、じゃあね」 振り向きもせず右手を軽くあげただけで そのまま立ち去って行った中年男性
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