カードで未来は見通せない

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「私の占いは、タロットと霊感のハイブリッドなのです」 と適当なことを言うと 「霊感………すごい……」 私を見る目がキラキラと輝いた。  疑うことを知らない無垢な瞳…胸が痛いぜ。  気を取り直して次のカードをめくる。  《塔》逆位置。これはこれは…  お姉さんをチラと見るが、何も言おうとしない。仕方なくカードの意味をリーディングした。 「今あなたの心は嵐の只中(ただなか)にいます。この絵は、神の怒りで塔が崩されている場面。でも、間違って築かれた塔は、いつか壊さなければいけないのです。あなたは今まで信じてきたものが壊れて、苦しい思いをしているでしょう。でもこれは将来のために必要な試練なのです」…と、そこで 「間違ってるって、何ですか?!」 唯菜(ゆいな)ちゃんが声を荒げた。 「私の前から友達がいなくなったのは、今までの私が間違っていたんですか?!」 「違う!!」  今度は私が彼女を遮る。  少し感情的な声に、唯菜ちゃんは驚いて言葉を飲んだ。 「いじめは、いじめる方が絶対悪い!あなたは、間違っていない!!」  唯菜ちゃんの目に、涙が滲んだ。 「従姉のお姉ちゃんが死んじゃったのは?わたしのせい?私が、間違っていたせい?」 『関係ないよ』  ここで再びお姉さんが介入してきた。 『あれは、単純で不幸な事故。あなたには関係ない。でもお姉さんはこれからも、あなたを見守っているよ。あなたのことが大好きだから。あなたの傍で、あなたを見守っていくよ』  唯菜ちゃんは、静かに泣いた。
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