ストロベリーケーキの幸福

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そんな反応を見て、唇を尖らせている空閑がバックミラーに映っていた。 昼食時、カフェレストランに車を停めて、腹ごしらえをすることにした。 博臣は昨日、遅い時間に昼食を食べたっきりなので、とてもお腹が空いている。 ランチセットのクラブハウスサンドイッチを注文し、後ろで遠慮がちにしている空閑に声をかけた。 「空閑くんは食べないのか?」 「今、持ち合わせなくて」 「奢るから好きなの頼んでいいよ。俺が連れ回したようなもんだから」 と言うと、空閑は「マジで?」と目を輝かせた。 スモークチキンとトマトバジル、フライドポテトを追加注文すると、空閑の顔はすっかり明るくなった。 「君、遠慮しないな。まあ、身体つきがいいから相応だけど」 「守屋さんありがと。いただきまーす」 手を合わせるポーズは、いかつい格好には似合わない。 博臣も手を合わせると、一日ぶりの食事にありついた。 昨夜は子猫の面倒に注力していたせいもあり気に留めなかったのだが、空閑春人は本当に美しい青年だと改めて思う。 駐車場のほうをただ見つめながら、空閑は丁寧な所作でサンドイッチを食べている。
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