秘密の関係はじめます

12/20
前へ
/269ページ
次へ
「性格も、イケメンなの!」 なんだか悔しくなって頬を膨らませた、その時。 「おはよー、みなみちゃん樹里ちゃん」 ひょっこり、天使の笑みをした少女が現れた。 「おはよ、美月〜」 私はすかさず、その彼女に縋り付く。 ゆるふわの茶色いセミロング。 そして、笑った時に八の字になる眉が可愛い彼女の名前は、花柳(はなやぎ)美月(みづき)。 樹里と3人で、高一から一緒のいつもの仲良しメンバーだ。 私が樹里にいじめられた〜って話したら、美月はよしよしと頭を撫でてくれた。 ──というか。 これって樹里と美月に話すべき? ふと頭に思い浮かべるのはついさっきのこと。 クラスに入ってからそれとなくタイミングを窺ってはいたけど、二人とも揃ったわけだし。 今が、その時だよね? そう思った私は口元に手を当て、密やかに唇を動かした。 「あのね、他の人には内緒にしてほしいんだけど──」
/269ページ

最初のコメントを投稿しよう!

95人が本棚に入れています
本棚に追加