秘密の関係はじめます

17/20
前へ
/269ページ
次へ
ただの幼なじみ──なんて言ったら、逆に贅沢な気もするな。 だって幼なじみなんて、なりたくてなれるものじゃないでしょう? だからこうやって当たり前のように隣にいられる私は、幸せ者なのかもしれないって、最近よく思う。 小さい頃から私と彗は今と変わらない関係だった。 私が困った時、いっつも彗は呆れた顔をするくせに、結局最後には助けてくれる。 そんな、不思議な関係。 昔、大切にしてた人形をなくしちゃった時に一緒に探してくれたのも、 熱が出てるのになかなか言い出せなかった私に真っ先に気づいて、代わりに先生に言ってくれたのも、 逆上がりができなくて悔しくて泣いてた時、何も言わずに最後まで付き添って練習してくれたのも、 全部全部彗だった。
/269ページ

最初のコメントを投稿しよう!

96人が本棚に入れています
本棚に追加