働き疲れた午後も推しが尊い

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 高校生の頃に流行ったゲーム。その主要キャラの一人に、私は撃ち抜かれた。  まだ少年と称する方が近い、線の細い男の人。真面目で、初々しい実直さが眩しい……面白みのない人。  そんな印象に反して、見てて心を痛めるほど悲惨な境遇の連続、やがて道を外れる。いわゆる闇堕ちを果たすキャラだった。  手段を選ばなくなり、イメージカラーすら白から真っ黒になって、ついに主人公である私のキャラとも隔たりをみせて。  だけど、そんな彼を見捨てない主人公の姿が、やがて彼に、大切なものを取り戻させる。  正に王道のストーリーに。感慨に。何より、結局優しさを捨てきれず苦しんだ彼が、救われ、報われていく様に。  私は。  センセーだなんて茶化される、消去法だっただけの真面目さすら、許されたような気分になったんだ。
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