私の人生

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私の人生

 ガラス越しに見える街の風景。ほんの数日前までは好ましい賑やかさだった。今は古い白黒写真のように見える。  何もかも、どうでもよくなった。数ヶ月後には私はもうここには居ないのだから。こんな時に最後に会っておきたい男の一人もいない。  頭の中に自分のお葬式の絵が浮かんだ。歴代の男たちがズラッと並ぶ。そんな心配もない。  何だったんだろう私の人生。生まれて来なければ良かったのに……。そう思って両親の顔が浮かんだ。  父が亡くなり、その二年後、母が亡くなり。  母の最期の言葉 「麻琴……まこと……幸せになるのよ……」  お母さん、ごめんね。私は幸せにはなれなかった。でももうすぐ、お母さんとお父さんの傍に行くから。 「あのう……。どこか悪いんですか? 顔色、良くないですよ」相席の男。 「顔色だったら、あんたの方がよっぽど悪いわよ」  少なくても睡眠不足の夜遊び男に言われる覚えはない。めちゃムカついて席を立った。
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