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家族のカタチ
早産の可能性を考えると出産準備が遅かったけれど、協力的ですっかりパパの顔で毎日お腹に話し掛ける竹巳くんと、その他多数の援軍のおかげで、近本邸も竹巳くんのマンションも準備万端…過剰なくらいの準備が整っている。
準備は過剰なくらいだけれど、お母さんたちは妊婦に過保護ではなく、一緒にキッチンに立ったりお手伝いさんに圧力鍋の使い方を教わったりと、好きにさせてくれた。竹巳くんは会社にいても“大丈夫?”と頻繁に電話やメッセージをくれたけれど
“今日も快適”
とか
“胃が楽だからいっぱいお昼ご飯を食べた”
とか
返事をする毎日。
新しい病院にも、弁護士さん経由で私のカルテデータが整っていて、今は毎週診てもらっている。ちなみに、トモさんとユリカさんのカルテデータも今後のために近本で持っているらしい。
今日は家の近く、近本の近くのフラワーショップへ、散歩日和なのでゆっくりと歩いて行く。もういつ産まれても大丈夫なんだ。しんどくなければ適度な運動はキープして、と病院でも言われている。
つわりは苦しかったけれど、いろいろとありながら順調に大きくなってくれてありがとう…と思いつつ歩いていると、すーっと前から来た車が目の前で止まって驚いた。
危ない…
「やっぱりこの辺りにいた…ちょっと話があるんだけど乗って」
乗るわけないでしょ…運転席から顔を出したのは田川さんの次男だった。
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