20人が本棚に入れています
本棚に追加
序 竜使いの娘
ジョンの一人娘が初めて黒い竜に会ったのは、三歳の時。
ジョンは、前竜使いの長年の友人であった。
父親に抱かれた幼子は、ヒノキ村の竜使いの家の横で座っていた、レモン色の眼の竜を見ると、キラキラと目を輝かせた。
「わあぁぁ!! おとぎばなしから、でてきたみたぁ〜いっ!」
(ほお……。コヤツは、なかなかの大物ではないか)
怯えるのではなく、感嘆の声を上げた子どもに、竜はとても感心したのだった。
時は流れて、サミュエル王の従者の子孫で、竜使いだったルークがこの世を去った時、ジョンの娘は十八歳になっていた。
娘は、王宮の厩務員だった。
しかし、ルークが亡くなる直前に、彼だけでなく竜も懇願をしたことで、新たな竜使いに転職をしたそうだ。
最初のコメントを投稿しよう!