アイツとの関係

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アイツとの関係

彼との同居に少々の不安や気後れはあったものの、断られる事なく同居が始まった。 条件はかなり良かった。 自分の部屋以外は共有スペースとは言え、散らかす事も汚す事もなく、快適な毎日だった。 彼は特に干渉する事もなく、滅多に顔を合わせる事もなかった。 それなりにお互いの生活を守り、一人暮らしの寂しさも感じる事もない。 たまに、顔を合わせると遠慮がちに話しかけられ、こっちが恐縮するほどだった。 バイドに行く前、朝食を食べる彼に言われた一言が気になった。 「もう起きたの?」 彼がそう言った、と言うことは、ゆうべの深夜帰宅を彼は知っていると言うことだ。 起こしてしまったのなら、申し訳ないと謝ったつもりだった・・・・・だが、彼は帰宅に気づいたことを申し訳なさそうに謝った。 深夜帰宅したのは、バイトの一人が急に休んだための延長のせいだった。 俺の生活に干渉しないし、興味もないと言われた様な気がしてイラついた。 せっかくの同居なら、もう少し関心を持ってくれてもいいのに・・・・・ そんな気持ちだった。 彼が新名 蓮音(にいなれんと)とランチを食べに来た時、見たことのない表情をしていたのも、食べ物をシェアしていたのも驚きだった。 彼が新名 蓮音(にいなれんと)とどう言う関係なのか、クラスでのアイツの雰囲気からは、二人でいる時の彼の行為は意外すぎた。 大人しく無口な彼が新名 蓮音(にいなれんと)といる時は、あんな顔をするのかと少なからずショックだった。 なぜ、自分がショックだと感じるのかもわからず、複雑な心境を持て余した。
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