191人が本棚に入れています
本棚に追加
女の話
何も知らない蓮音は、椅子に座ると僕の飲み掛けのアイスコーヒーを当たり前のように
飲んだ。
それもいつものことなのに、彼女達にもしていたのかと思うと腹が立つ!
「それ、僕のだから飲むなよ」
「いいだろ、俺とお前の仲なんだから」
「さっき松嶋 彩奈って女が来たんだけど」
「だれそれ?」
「お前と付き合ってるって言ってた」
「俺が付き合ってるのはお前だけだろ」
「蓮音に付きまとうなって、言われたんだけど」
「そんな女気にするな」
「気にするなって言っても、気になるだろ。思い出せよ。あんな女と付き合ってたのか?」
知らない振りをする蓮音に、だんだん腹が立って益々イライラしてきた僕は、女の話を全部話した。
「僕のことストーカーとか、朝から晩まで一緒に居るから、自分と付き合う時間が無くなったとか、僕散々言われたんだからな」
怒りを滲ませた顔で、真剣に話しても蓮音の方は、のんびりと他人ごとみたいな顔をしていた。
「でも俺、そんな女全然覚えてない」
「お前は覚えてなくても、あの女は僕に喧嘩を売ったんだ。あの女の方をつけるまで、僕に話しかけるな。話すのも禁止、食事も別な」
蓮音が呆然とするなか、席を立つと店を出た。
女の話を真に受けたわけじゃないけど、全く関係ないとは思えない。
女があんなに言っている以上、蓮音は彼女と話をするべきだと思った。
どっちにしても・・・・・
あんな女に手を出したお前が悪い。
最初のコメントを投稿しよう!