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「ベルジアンも帰ってこなかったし、やっぱり王宮で大変な事が起きてるに違いない。国王がなくなって跡目争いでも起きたら魔狼を退治して欲しいと頼んでも引き受けてくれるかわからないぞ。どうするアリシア?」
ヴィルの言う心配はかなり当たっていると思う。
「ええ、ベルジアン様も捕らえられたのかも、こうなったら王宮に戻ってグレンの無実を証明しなきゃ、そうすればきっと魔狼退治に協力してくれるんじゃない?」
アリシアはそう言っていいことを思いついたと思った。
グレンが王宮に帰って来た時無実がはっきりしていればきっと彼は私たちを助けてくれる。
そのためにはグレンが子犬になるって事はヴィルには絶対に秘密にしておこう。
***
朝食を取るとまた王宮に戻ることにした。
ふたりはお金も持っていなかったので仕方なく歩いて王宮を目指した。おかげで王宮に着くともう夕方になっていた。
でも、今日中についてよかったと思った。
王宮の周りは高い壁で囲まれていて入り口には門番がいた。
高い金色の門が常に閉じられているようで出入りには門番が門を開けて通る人をチェックしている。
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