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「ヴィルこんなに厳重だなんて思わなかったわ。私たちこんな所通らなかったしね」
「ああ、でもアリシアが聖女でマティアス殿下の怪我を治したことくらい知れ渡ってるだろう?ティルキア国から来た聖女だと名乗れば大丈夫だろう」
「ええ、そうね。やって見る」
アリシアは門番に声を掛ける。
今は聖女服ではなくドレス姿でそれも一日中歩いていたせいでかなりくたびれたようにしわしわになってはいたが…
「ティルキア国から来ましたアリシアとヴィルフリートと言います。昨日は国王がお亡くなりになって私たちはいったん出直すつもりで王宮を後にしましたが今一度国王に最後のお別れを言いたくて参りました。どうか中に入れて頂けませんか?」
「ティルキア国から来た聖女か?」
「はい、そうです」
門番たちの顔色がさっと強張る。
「お前たちにh国王殺害に協力したという容疑が掛かっている。おい、こいつらを捕まえろ。王妃殿下の所に連れて行く」
門番がアリシアの腕をぐっと力強くつかむ。
アリシアは後ずさりその手を払う。
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