68人が本棚に入れています
本棚に追加
だが、無理だった。
門番は話など聞く気はないらしく腰に下げた剣を抜いた。
「言うことを行かないなら腕ずくで連れて行く。さあ、来い!」
門番が剣先をアリシアたちに向ける。
そうはさせるかと今度はヴィルが剣を抜く。
お互いの剣がかち合いぎりぎりと剣先が押し合う。
「ヴィル危ない。やめて。ああ…もう、ヴィル…」
アリシアはヴィルと門番のせめぎ合いに声を上げる。
だが、何と言っても門番は3人。最初は優勢に思えたヴィルだったが一人で太刀打ちできるはずがなく。
ヴィルが相手の剣を払った好きに別の門番がヴィルに切り込んだ。
「あぶない!!」
その瞬間アリシアは両手を突き出し満身の力を押し出した。
ヴィルが身体をよじる。アリシアの身体が傾いてヴィルを庇うようにふたりの周りに金色の帯が絡みつく。
その瞬間。ふたりの身体は一瞬でその場から消えた。
門番は切りつけた剣が空振りに終わりそのまま地面に剣が叩きつけられた。
「おい、ふたりはどこだ?まだ遠くに入ってないはずだ。探せ!」
門番は慌ててアリシアたちを探す。
最初のコメントを投稿しよう!