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だが、アリシアたちは見つかるはずがなかった。
アリシアたちが次に脚をつけたのはティルキア国のアステール山にある神殿の前だった。
「きゃー、ヴィル危ない!」
アリシアはぎゅっと閉じた瞼をそっと押し上げた。
「な、なに?ここってどこ?そうだ。ヴィル怪我は?」
「なんだ?いったい何が起きたんだ。アリシアお前こそ大丈夫か。いきなり俺を庇うなんて…お前こそ怪我は?」
「ううん、どこも痛くないわよ。それにここはどこ?私たちってさっきまで王宮の門の前にいたはずよね?」
「ああ、そうだ。でも、ここはさっきの場所じゃないぞ」
アリシアはやっとちゃんと立ち上がって辺りを見回す。
「あれ?ここって神殿よ。えっ?どうして私たちティルキアに帰って来てるの?」
「ここが神殿?俺神殿には来たことがないから…でもアリシアがそう言うならきっと神殿なんだろう。も、もしかしてアリシア転移魔法がつかえたんじゃないのか?」
「まさか…私つい最近まで加護魔法しか使った事がなかったのよ。大司教に治癒魔法を教えてもらって出来るようになったばかりで…転移魔法なんて無理に決まってるじゃない」
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