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アリシアはぎろりと睨むように見据えられて思わず蛇に睨まれたカエルのように口ごもる。
「アリシアここは俺が…」
ヴィルが代わりに説明を始める。
「いえ、それが国王が亡くなってそれどころではなくなってしまってそれで取りあえずこちらに帰って来たんです」
「それは魔狼退治の話は頓挫しているという事なのか?」
「はい、一度話をしましたがあまりいい返事はもらえませんでした。再度お願いしようと思っていたところに国王の不幸があって…」
ガイルは顎に手を当てるとしばらく考えている。
「ったく。アリシアどうして魅了魔法を使わなかった?何のために…」
「そんな事言われても…」
「相変わらず役に立たん奴め。もういい、レオンがドークから魔狼を退治できる方法を探り出してくれた。アリシアお前にはそれをやってもらう。いいな?」
「そりゃ魔狼を退治できるなら何でもやりますけど…そもそも魔狼って何かしたんですか?」
そう言えば魔狼はどうしているのだろうと疑問が湧く。
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