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「そんな事言うはずがないだろう?アリシアはよくやっているじゃないか。アラーナ国に行ってシーヴォルト殿下の怪我を治して国王が亡くなって話が頓挫したのは仕方がないだろう。だが、そのおかげでここに帰って来た。これこそ神のお導きというのもだ。レオンから話を聞いてお前に帰って来てもらうと思っていたんだ。いいかアリシアよく聞いてくれ。魔狼をオルグの泉に呼び寄せる事が出来れば魔界に送り返せるんだ。アリシア。これがどういう事かわかるか?」
「ええ、とんで火にいる夏の虫ってやつですよね?」
「ああ、よくわかってるじゃないか。魔狼はこちらが捕まえに行かなくても向こうから来てくれるってことだ。アリシアやってくれるな?」
「ええ、何をすればいいんです?」
ガイルはふっと小さく息を吐いた。
ほっとしたのだろうか。いや、こんな簡単な事をするだけなのにそんなに思い詰めていたとは思えないけど…
アリシアは何だか胸騒ぎを覚えたがさっきまで緊張していたせいだと思った。
ガイルはすかさず話をつづけた。
「良く言った。さすがは聖女アリシアだ。お前にはオルグの泉で祷りを捧げてもらう」
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