19大司教にほだされて

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19大司教にほだされて

 アリシアは覚悟を決める。  「それで話の続きは何なんです?大司教」  「ああ、話は簡単だ。ドークに聞いた話ではオルグの泉で禱りを捧げると泉全体がまばゆい光で溢れるそうだ。その光に魔狼は引き寄せられて泉の中に飛び込むらしい。そしてまた魔界に戻って行くという事らしい」  「でも、そんな簡単に行くものなんですか?魔狼がそんな勘違いをするとは思えませんが」  「いや、普通の聖女ならばそうかもしれん。だがアリシアお前は違うんだ。お前の母マデリーンの先祖には魔族と結婚したものがいたらしい。だからアリシアは魔族の血を引いた聖女ということになる。わかるか?だからお前は普通の聖女の持っている力の何十倍、いや、何千倍もの力を持っているんだ」  「そんなばかな。だって私は加護魔法しか扱った事がなくて、つい最近治癒魔王や魅了魔法がつかえるようになったばかり‥あっ!」  アリシアは声を上げて思わず口を手で押さえた。  「どうした?」  「いえ、でも…」  だから転移魔法が?私の中にもっと強い魔力があるって事?じゃあ、本当に祈りを捧げれば魔狼を退治出来るって事?
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