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母の言った言葉が頭によぎる。生きて正しい事をしなさいと。
だったらそうすればいいとアリシアは覚悟を決める。
マイヤには意地悪なことをされたり嫌なことも言われて来たけど、私はマイヤがこのままでいいなんて思ってもいないし。
「大司教、私やります。精いっぱい頑張って魔狼をオルグの泉に引き寄せて魔界に送り返します」
そう威勢よく言った。
ふとその時、レオンは何が言いたかったのだろうと思ったがそんな思いはすぐに霧散した。
***
「アリシア引き受けてくれてありがとう。喉が渇いただろう。お茶でも飲んでから…まあ、座りなさい。そうだ。もう昼じゃないか、お腹は空いてないか?」
「ええ、そう言えば喉も乾きましたしお腹も…ぐぅ…すみません。ほんとに大司教ったら…私どんな大変な事を要求されるのか冷や冷やしてましたから…」
アリシアはほっとしてソファーに腰を下ろした。
それから大司教が自らお茶を煎れてアリシアに飲むように勧めた。
廊下に出てシスターにすぐに昼食を持ってくるように声を掛けた。
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