19大司教にほだされて

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 お茶はカモミールティーらしい。このお茶ってお客さんにしか出さないお茶じゃなかったかしら?  私ってそんな扱い受けていいの?  アリシアは気持ちが悪いと思いながらもそのお茶を頂く。  「すごく美味しいです。ありがとうございます」  「とんでもない。こちらこそアリシアには感謝する」  「そ、そんな…お礼なんて。国を救うためですから」  アリシアは照れ臭くて肩をすくめた。  そこに昼食が持ってこられた。  サンドイッチやスープ、ハムのソテーやチーズにサラダやフルーツまで添えてある。  「こんなに?ほんとにいいんですか?」  アリシアは目を丸くする。だってここでの食事はいつも粗末なものだったから。  「もちろん。これから祷りを捧げるためにはしっかり食べておかなくては。なぁアリシア。さあゆっくり食べなさい」  大司教はアリシアに柔らかなともいえる微笑みを向けた。  その微笑み何だか気持ち悪いですよ大司教。そう心の中で突っ込みを入れながら。  「そうですね。では、遠慮なくいただきます。あの大司教は?」  「私は後で頂くから、気にするな」  「そうですか。では…」
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